セントウルステークスはブービー人気のテイエムスパーダが勝利。
逃げ馬不在の中、内から2番ヴァトレニと3番レジェーロがハナを主張しかけたが、それを制すようにテイエムスパーダがハナを取る。4角に入っても競りかけてくる馬はおらず、最後アグリが強襲したが、そのまま耐えきった。単勝1万円越え、3連単97万8千円という百万馬券までもう少しというところであった。
前3ハロンは11.9-10.5-11.1と3ハロン目で抑えたが、4ハロン目で10.9とまたここでスピードアップしたのがポイントで、ここで馬群が詰まらず、プレッシャーがかからなかった。富田騎手あっぱれの騎乗である。
テイエムスパーダはレッドスパーダ×トシザコジーン。
父レッドスパーダは東京新聞杯や関谷記念を勝つ一方で京王杯スプリングSを制したり、高松宮記念に出走したりと、1200m~1600mで活躍した。産駒の重賞制覇は二回でどちらもテイムスパーダなので、まさにレッドスパーダの成功系と言える。
母トシコジーンは芝1200mを中心に走った馬であり、3勝をあげている。
テイエムスパーダで見るとNijinskyの5×5、さらにレッドスパーダの母父はStorm Cat、トシザコジーンの二代父がCozzeneであることから、ナスキロ柔らかく走る馬であり、今回阪神内回りということで完全に度外視だった。
ただ、CBC賞では48キロという大ハンデながら1:05.8のレコードを出した実績があり、こういう情報をもとに拾えれば良いですが、それはなかなか難しかった。

アグリはカラヴァッジオ×オールドタイムワルツ。
アグリの父カラヴァッジオはアメリカで生まれ、アイルランドで育てられた。オブライエン厩舎で育てられると、単距離をメインとしてデビュー6連勝で2度G1を制覇。(どちらも芝6f)。しかしそこからは思うように勝てず、10戦7勝で3歳で引退した。
しかし、今までの調教で最も早い追切りを計測したとオブライエンが言うなど、スピードの速さには疑いがなく、これはカラヴァッジオの母Mekko HokteのThe Axeの4×4、Intentionallyの4×4、Rough’n Tumbleの4×5という凝縮されたアメリカ血統のスピードによるものだと思われる。
アグリの母オールドタイムワルツは父ウォーフロントであり、アグリ全体としてはRelaunch=MoonGlitter4×6となり(二大父がIntentionally)、そのアメリカ血統を増強した形となる。アグリの母母父ガリレオらしさはあまり見られず、むしろナスキロ柔らかく差してくるタイプであり、阪神内回りでここまで走れるなら次回は期待できる内容であった。

本命に予想したピクシーナイトは、まだ本格化の影は見られず、復調途上といった形。モーリス産駒なので、まだ成長分はあるとみており、買い続けるしかなさそうで、どこまで心中できるか。