東京シティ競馬所属のミックファイアがジャパンダートダービーを御神本訓史騎手とのコンビで勝利し、2001年のトーシンブリザード号以来22年ぶり2頭目となる無敗での南関東3歳クラシック三冠を達成した。
そしてミックファイアはデビューから6戦6勝と負け知らず。今後の更なる活躍に注目である。
今回はそんなミックファイアの父であるシニスターミニスターとその産駒について見ていきたい。
シニスターミニスターの戦績
2005年12月にデビュー
2006年1月の2戦目で2着に8馬身差をつけて圧勝し、初勝利
GI初挑戦となったブルーグラスステークスでは2着に史上3番目となる12馬身4分の3の差をつけて圧勝
ケンタッキーダービーでは上位人気に支持されたが、16着と大敗
その後は1勝もできず、13戦2勝の成績を残し引退
ブルーグラスステークス
シニスターミニスターの血統
シニスターミニスターの父はオールドトリエステ、その父がA.P.Indy。
A.P.Indy系でいうと、他にパイロやタピットがいるが、それらと同じく、直線が長いコースをストライドで走る姿が特徴的である。
Hail to Reasonのクロスはあるが、それは母親内にとどまっているため、父母のクロスは無し。
注目すべきは、母Sweet Ministerが持っているMr. Prospector。
シニスターミニスター産駒を考えるときは、
・Mr. Prospectorのスイッチを入れられているか
・A.P.Indyのストライドのスイッチを入れられているか
・よりスピードの素質を受け継ぐために、Halo≒Sir Ivor≒Droneやサンデーサイレンスの血を取り込んでいるか
がポイントになる
シニスターミニスター産駒
ではここでシニスターミニスターの代表産駒を見ていこう
まずは、テーオーケインズ
2021年のチャンピオンズカップ、2022年のJBCクラシックの勝馬で、ダート中距離をメインに現在も活躍中である。
母はマキシムカフェで、マンハッタンカフェ→サンデーサイレンスと遡る。
ポイントはマキシムカフェの母父ジェイドロバリー。Mr.Prospector×母父Nijinskyで、Mr. Prospectorの刺激とストライドの増強が出来ている。

次は、インカンテーション
募集額は1,200万円(1口6万円×200口)で、稼いだ額は約4億。
2013年のレパードS、2014年のみやこS、2015年の平安S、2017年のマーチS等GⅢを無双。GⅠではフェブラリーS着、かしわ記念2着とあと一歩足らなかった。
母はオリジナルスピンで、父はMachiavellian→Mr.Prospectorと遡る。
また、Machiavellianは2代目にHaloが含まれている。
オリジナルスピンの妹Time Awayは、仏オークス3着、英ナッソーS3着と、Time Awayからも牝系を伸ばしている。

次はキングズガード
2017年プロキオンSの勝馬。GⅠ戦線にも幾度となく現れたが、少し力が足らず、戴冠はならなかった。
母はキングスベリーで、その父親はキングヘイロー。
ポイントはそのキングヘイローで、キングヘイロー自体がHalo≒Sir Ivor≒Droneの3×2・3。
かなりスピードタイプに寄らせた配合である。

ヤマニンアンプリメ
最初はなかなか勝てなかったが、5歳馬の時にオープンの大和Sで1着をとると、そこからきっかけを掴み、同じ年の年末JBCレディスクラシックを戴冠した。
母はヤマニンエプスでその父はサンデーサイレンス。ヤマニンエプスの母はヤマニンペニーでその父がNijinsky。
テーオーケインズと少し似た配合と呼べる。

ミックファイアの血統
というところで、ミックファイアはどうなんだというところであるが、
母マリアージュは中央競馬ダート中距離で走った馬であるが、目立った活躍は無し。
マリアージュは父ブライアンズタイム×母アーミールージュで、そのアーミールージュの父がMiswaki。
Miswakiの父はMr.Prospectorであるため、やはりミックファイアもMr.Prospector持ちである。
一方で、「A.P.Indyのストライドのスイッチを入れられているか」「よりスピードの素質を受け継ぐために、Halo≒Sir Ivor≒Droneやサンデーサイレンスの血を取り込んでいるか」についてはNoである。
ただ、Mr.Prospectorを除くと5代アウトの血統であり、より一層Mr.Prospectorが光る形であると言える

シニスターミニスター産駒は父とは違って息長く活躍する馬が多く、ミックファイアも同じく長く活躍してほしいと思う限りである。そして、ミックファイアが今後どういう路線を取るかはわからないが、個人的な希望としては中央競馬のダート戦線を荒らして欲しい。