ヘニーヒューズ産駒であるモーニンは2020年種付け頭数はキズナ、エピファネイア、レイデオロに次ぐ4位で190頭。同じヘニーヒューズ産駒であるアジアエクスプレスは14位の161頭。ほとんどの馬はダート馬になると予想され、2歳ダート戦線を理解するにはこの2頭の理解が必要となってくる。
そもそもヘニーヒューズとは、というところからだが、アメリカのダート単距離戦線で活躍した馬であり、2006年に、ダート7ハロンの キングスビショップS と ダート6ハロンのヴォズバーグS を制している。
GⅠの勝ち鞍はこの2レースであるが、他にGⅠ2着が3回と2006年のアメリカダート単距離を席巻した。
3歳で引退し、種馬となるが、2010年の初年度産駒は期待以上の結果は残せず、2012年にはオーストラリアに移されてしまった。しかし、アメリカに残された産駒であるビホルダーがブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを制すると2013年に再度アメリカに移され併用される。
一方日本では、2010年にヘニーヒューズ産駒を9頭輸入しており、そのうちケイアイレオーネとヘニーハウンドが重賞を制覇したことから、2013年10月にヘニーヒューズは日本に輸入され、優駿スタリオンステーションで併用されることになった。
ヘニーヒューズはStorm Cat系の父ヘネシーと母Meadow Flyerの仔であり、5代アウト。
ヘニーヒューズ産駒を語る上で重要なのは、
「早熟であるがゆえに母は芝馬だと早熟さが緩和されて中途半端な馬になること」
とはいえ、少し体力も補完したく、
「母型に少し欧州血統が入っていればそれが仔に良い影響を及ぼす可能性がある」
という2点だと考えている。
そして成長していくにつれて、どんどんダート単距離馬の傾向を強めていくことも注目すべきポイントである。
モーニンもアジアエクスプレスも漏れなく母はダート単距離馬で、母型にCozzeneという欧州血統が入っている。そして両者早熟であった。
さてはモーニンとアジアエクスプレスの産駒はどうかというと、やはり母型は単距離馬が良いことには変わりないが、芝馬でもある程度結果をだすようである。また、早めに結果を出すことに変わりはないが、年齢を重ねてからもある程度走るようである。
アジアエクスプレス産駒の賞金ランクトップ3であるメディーヴァル、ボイラーハウス、ラルフは6歳になってまだ走っており、ラルフは今週のマレーシアSにも出走予定である。
ヘニーヒューズにおいては、Eight Thirty ≒ War Relic を刺激する母馬との交配が良いとの解説もあるが、6代、7代目でどこまで影響を及ぼしているかは不明であり、まずは全体としてとらえることが重要だと考えられる。そしてそれは漏れなくモーニンもアジアエクスプレスも同じと思われる。