Wootton Bassettの血統解説。金子オーナー所有のグリーンバナナズ22に注目!

種馬解説

セレクトセール2023で金子オーナーにより2億7000万円で落札されたグリーンバナナズ22ですが、父親はWootton Bassett(ウートンバセット)という日本にはあまりなじみのない父親。

JRAで走ったWootton Bassett産駒も過去に1頭だけで、今回この額で落札されたのは注目に値します。

ということで、今回はWootton Bassettの血統を解説した上でグリーンバナナズ22の将来性を少し考えてみます。

ちなみに既にグリーンバナナズ22はパーティハーンと名付けられているので、これ以降はパーティハーンと呼ぶことにします。

Wootton Bassett(ウートンバセット)の血統解説

Wootton Bassettは、2010年~2011年にイギリスの短距離~マイル戦線で活躍した馬で、GⅠ1着を含む9戦5勝という成績を残した。(因みに制したGⅠはイギリスではなく、フランスで行われた、ジャンリュックラガルデール賞(1400m)である)

引退後はフランスで種馬となり、初年度は23頭しか種付けされなかったが、そこからカルティエ賞最優秀3歳牡馬に選ばれたアルマンゾルを輩出。

それからは人気種馬となり、コンスタントにGⅠ馬を輩出し、2021年からはアイルランドで供用されています。23年の種付け料はNo Nay Neverの17万5000ユーロに次いで、同種馬場で2番目に高額の15万ユーロに設定されています。

Wootton Bassettの父はIffraajで仕上がりの早さが特徴的です。

また、血統を見てわかる通り、父IffraajはNorthern Dancerの4×3、母母Susquehanna DaysにNorthern Dancerが入っている一方で、母父Primo DominieにはNorthern Dancerが入っていないため、「3/4Northern Dancer、1/4異系」の形が成立しています。

そして、母父Primo DominieはFair Trialの4×4なので、さっと動ける機動力はここからくるものだと考えられます。

短距離のスピードを伝え、仕上がりの早いGone Westの血とFair Trialがミックスされることで、まさにサッと動ける短距離馬(早熟)の代表馬がWootton Bassettだということが出来ると思います。

パーティハーンの血統解説

では、そのWootton Bassett産駒のパーティハーンですが、母グリーンバナナズからは同じ父Wootton Bassettの仔としてジャンロマネ賞、BCフィリー&メアターフを制したアウダーリヤが出ており、血統背景としては申し分ありません。

父Wootton Bassett、母父Green Tune、母母父Anabaaが短距離馬にも関わらずアウダーリャ(パーティハーンの全姉)のような中距離馬が出てくるのは、三代母Gigawattによる影響が多く、Gigawattはスタミナを引き継ぐOwen Tudorの5・6×6で、Hyperionの血が豊富に入っています。
Owen TudorからTudor Minstrelに血が繋がると長距離適性は落ちてくるものですが、Hyperionの血が濃いことで長距離適性を受け継いでいるのでしょう。

グリーンバナナズはNorthern Dancerの4・5×4・5なので、パーティハーンで見るとNorthern Dancerの血がかなり色濃く、Owen TudorやHyperionの血がスタミナを補完しながら、Wootton Bassettのスピードが上手く調和されると面白いといったところでしょう。

適性としては、マイルが適性で、朝日杯やNHKマイルのような激しいマイル戦でHyperionの血を活かしてハイペースのレースを制する、というのが理想的な形でしょう。

2022年産の金子オーナー所有馬が強い!?

ところで、2022年産の金子オーナーの所有馬はパーティハーンのように有力馬が多く、

  • パーティハーン(Wootton Bassett産駒 友道厩舎)
  • ネブラディスク(ドゥラメンテ産駒 福永厩舎)
  • テルアスワッド(ブリックスアンドモルタル産駒 須貝厩舎)
  • ジェゼロ(サートゥルナーリア 須貝厩舎)

のように楽しみな1年となりそうです。

ダービーが終わると二歳馬のレースが始まり、pogの一番楽しい期間なので、是非皆さんも楽しみましょう。

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